酒場まぼろし。
「どうしたの?チョコちゃん。浮かない顔だね。」
「あ、マスター、今の職場の部下が使えなくて。
自分の仕事に責任感なくてほんとに嫌。」
「大変そうだね。」
「この間も彼に頼んでおいた書類が出来上がってなくて。代わりに私が上司から怒られたんです!
3日前にきいたら「楽勝です、がんばります。」なんて言ってたから信用したのに。」
「間に合わなかった理由はきいたの?」
「頑張ったんですが時間切れで、、、って。ね、無責任でしょう?
いつもこの理由なんですよ!」
「うーん、それだけでは判断しにくいなあ。もっと奥に理由があるかもしれないよ。」
「?奥に?」
数日後 チョコちゃんが再びまぼろしへ来店。
「マスター、先日話した私の部下ね、マスターの言った通りでした~!」
「ほう?」
「いつも頑張ったけど時間切れ、しかきいてなかったんですが、
どうして時間切れになるのか詰めてみたら、彼、お母さんの介護一人でしているみたい
なの。
仕事もして介護もして、疲れて寝ちゃうとかあったみたいだったけど
介護関係なく仕事は自分の責任だからって周りに相談できなかったみたい。」
「そうなんだ。むしろ責任感あるじゃない。」
「はい。キャパオーバーで倒れちゃうから自分だけで頑張らないで、
仕事のほうは協力できるところあるからって伝えました。」
「責任感ある人って人に助けて、って言えない人も多いもんね。」
相手の言葉だけを受け取ってその人を判断してしまうと
本当の相手に出会えません。
人って思っている事と反対のことを言ってしまうときもあるし、
感じているものズバリを表現しきれないでいる人も沢山います。
言葉の裏に隠れている、考えや感情がどんなものなのか、
そちらにアクセスできるようなコミュニケーションがしたいですよね。
それをするには自分の考えや感情をもったままでは
そもそも相手の言葉も受け取りにくいです。
相手の言葉が自分的に受け入れにくいことだったとしても
その時は〇✖判断しない心で、耳を傾けてみましょう!
相手との意外な出会いが待っているかもしれません。
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