酒場、まぼろし。
仕事帰りにノンちゃんが独り
ぶつぶつ言いながら飲んでいる。
A課長め、何かというと私のこと否定してくるんだから。
そうだね、って意見を聞いてくれたためしがない。
あんな人とどう一緒に仕事したらいいの？！
人のこと否定するくせに
言葉や態度に全然悪気がなさそうだから本当に腹が立つ。
あんたの発言が確実に私のやる気をそいでるんだー！
マスター、ベンテンビールおかわり！
一緒に仕事する仲じゃなかったら本当にかかわりたくない人だわ。
もーっ、あんたのせいで私の酒代もかさむっての。
マスター、もっとおかわり！
三つ子の魂百までなんだからあいつの性格がかわるはずもない。
あいつに振り回されるだけ損だからこういう人間なんだって割り切るしかないのかな。
否定されても気にしないように大人になるしかないのかな。
…えーっ、なれる？ 私、大人になれる？ あんなにへこまされて。
マスター、もっともっとおかわり！
「ねえ、ノンちゃん、飲みすぎですよ。飲んでくれるのは店としては助かるけれども。
どうしたの。
ふむふむ、例のA課長がね。
ノンちゃん、A課長にビール代を払ってもらわないといけないくらい彼はうちの店に貢献してくれてますね。
それはさておいて
否定されても否定と思わないようにしよう、と考え方を無理やり変えようとしても長続きしないよ。
少しの間はいいかもしれないけれどいつか爆発するでしょう。
それよりね
A課長は自分を否定してくる人間だ、というのはノンちゃんだけの認識なんだよね。
否定してくるA課長がいるから、彼を「否定する人だ」と感じるのではなくて
ノンちゃんの中に「こういう態度、言葉遣い、表情をされたら否定された」
と感じる否定のイメージがあって
それをA課長に重ねてみるから、「否定してくるA課長がいる」って感じちゃうんだよ。」
え？え？え？わかんない！おかわり！
「否定する人のイメージはこんなです、というメガネをノンちゃんがかけたまま
A課長をみるからそう見えるってこと。
だから、どうしてそのイメージが自分の中に作られたのか
そっちにアプローチして、
その原因を理解したら手放せるよ。
そもそも自分で作ったものなんだから。
そうしたらA課長にかかわらず、「否定される」ことに振り回されない自分になる。
A課長とも新しい出会いができる。」
マスター、私の中の「否定されたと感じる」イメージを手放せれば
解決するってことなの？
どうしたらそうなれるの？
「うん、それにはまず人類共通の仕組みを理解しなきゃね。
認識技術をインストールするのが早いけどね。日本で生まれた新しい技術なんだよ。
でもノンちゃんがA課長のことで悩まなくなったら
売り上げに響くなあ（ブツブツ）。」
マスター、何ブツブツ言ってるの？ とりあえずおかわり！
（いつかつづく）
そう、認識技術は心を初めてイメージ化できたことで
脳機能や人間の認識を仕組みで観ながら心を開発・開拓できる新しい技術です。
考えたくないのに考えてしまう、感じたくないのに感情にのまれてしまう
コントロールできないでいた心の分野が変わっていきます。
人と人が本当につながれる社会が実現できる予感100％です。
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