酒場まぼろし。
常連ノンちゃんのぼやき。
聞いているのは最新型人工知能の酒田氏。
「この前、同じ業界の人が集まる研修に参加したの。
隣に座った女のコが私より若いのにできる人なの。
質疑応答の時間も私は彼女みたいにシャープな質問は出来なくて。。」
「なんだかすっかり元気をなくしてるみたいだけど、、、大丈夫?
ノンちゃんもこの前昇進したばかりじゃない。ちゃんと認められてるよ。
自信持ちなよ。」
「ありがとう、でもとても自分でそう思えない。」
酒田氏の波長キャッチセンサーがノンちゃんの波長をとらえた。
「わー、かなり波長が落ちてるなー!」
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人と比べて落ち込んでしまう事、よくありますよね。
落ち込んでしまうのは
あなたのせいではありません。
脳のせいです。
相対比較することは脳の大事なお仕事なのです。
脳は違いを観るのが大好きなので、
考える暇もないくらい反射的に一瞬で違いをみつけます。
相対比較をはじめます。
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酒田氏のセンサーがピピッと鳴った。
「あれ、同じくらい波長が落ちている人がすぐそばにいるぞ?」
「この前の研修で隣り合わせた女の人が、そこまでオバサンではないんだけれど
すごい貫禄あってベテランな雰囲気なの。
周囲への気配りもすごいし圧倒された~。
自分が空気読めない人間だってまた思い知らされてへこんだわ。。
彼女くらいの年齢になっても私なんかあんな風になれっこない。。。」
「まあまあ、まだ先長いじゃん、頑張ってるんだからだんだん自分が思うようになって
いくよ。元気出しなよ。」
「駄目よ。今ままでだって変わらない部分だもん。
結局私はずーッと空気読めない人間なんだ。。」
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「ねえ、ノンちゃん。ノンちゃんと同じくらい落ち込んでいる女性がむかいの席にいる
んだけど、、、、。」
「え? アッ!!!研修の彼女よ!!!!」
どんな人も脳がある限り、相対比較するんです、というお話です。
(つづく)
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