DNA検索で未解決事件が解決できるのはすごいけれど

テレビを何気なくつけたら、

25年も未解決だった殺人事件の犯人が逮捕された、というのをやってました。

DNA検索すると自分のDNAと似たDNAの人が発見できるのだそうです。

これまでは完全一致しないと発見できなかったものが、

今は一部が一致しただけでも可能だとか。

生き別れた家族を探したり、自分のルーツを知ることができるので

アメリカで流行している、と言っていました。

 

未解決事件ではこれを使って、犯人が現場で残した毛髪などからDNAを割り出し、

検索にかけたところ

たった2日で犯人容疑者を探し当てたのです。

 

この技術を開発した博士によると

これからどんどん未解決の凶悪事件が解決に向かうでしょうし

犯罪の抑止にもなる、ということでした。

 

 

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これをきいてすごいと思った半面、

不安も感じました。

 

新しい技術は画期的であるけれど、悪用される恐れもいつもあります。

これまでもウランの発見が原爆に利用されたり

医療の再生技術も倫理に反したクローンを生み出そうとする技術に使われているとも

聞いたことがあります。

 

いま『ホモ・デウス』を読んでいるので、余計そう感じるのかもしれませんが

本に書かれている通り

AIを扱える一部の特権階級「ホモ・デウス」と

それ以外の「無用者階級」に人類が分類されてしまったら。

 

無用者階級のなかに、ホモ・デウスに反発して邪魔だと判定される人が出たとしたら、

その人のDNA情報はそのころとっくにホモ・デウスに把握されている時代だと思うので

すぐさまDNA検索されて、同じような傾向を持つ人たちまでマークされて監視される、

ということもあり得ます。

 

そんなSFみたいなこと!と思われるかもしれませんが

実際にAIが驚くレベルで進化していますし、

『ホモ・デウス』の前作の『サピエンス全史』を合わせて読んでいると

ホモ・サピエンスは他を淘汰することを繰り返しやってきて、

生態系の頂点にたったことがよくよくわかります。

という事はこれからも淘汰はありうることだと思います。

 

ものすごい技術の恩恵を受ける一方で、

ものすごい危機にもさらされているのが私たちだ、とわかっていないとやばいですね。